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性同一性障害を越えて。『あなたが僕を知ったとき』前田健裕 <自伝・自分史・その周辺37> 

なにかの間違いで、女の身体に生まれついてしまった男性。
本当の「性」を取り戻すための彼の二十四年の闘いの記録です。

性同一性障害を抱えた人の多くは、家族や友人から理解されることなく、不一致の違和感を抱え込んだまま生きていかざるを得ない状況にあります。
勇気を持ってカミングアウトするには、職場での奇異の目にさらされ、露骨ないじめに遭遇する覚悟をする必要があります。

どうしても男性の身体に戻したくて、病院に相談に行っても、それを受けとめてくれる医師は、日本にはほとんどいません。

幸運にも、性別適合手術の経験があり、親身になって患者に寄り添ってくれる医師に出会えたことで、前田さんの長年の夢の実現が見えてきました。

手術の可能性が見えてきて、彼は中学生の頃から吸っていたたばこをきっぱりやめ、健康に気を使うようになります。

 男になるためなら、なんでもできる気がした。
 女でいるときには人生なんてどうでもよかったと思っていたのに。
 極端な僕。
 昔からそうだった。僕は、女でいるときは死にたいくらい嫌でつらく、
 男でいるときは死んでもいいくらい楽しく、幸せだった。


でも、夢の実現に向けては、乗り越えなければならない多くの障害があります。
タイに行って受ける3回の手術に、500万円の費用。

その費用を貯めるためには、身分が不安定なアルバイトでは駄目だ。
彼は、派遣社員で入った会社で、少しずつカミングアウトしながら、公私にわたってサポートしてくれる人を増やし、正社員の身分を得ます。

計画実現に向けた決意と、戦略の展開が見事です。
これから、性別適合手術を受けようとしている人には、彼がとった行動の一つ一つががとても参考になると思います。

手術そのものも非常にリスキーなものでした。
身体が手術を受け付けない場合もありますが、1回目の手術をはじめてから、2回目以降の手術が不可能だとわかるケースもあります。
感染症その他で命を落とすことも少なくありません。

 手術がしたい……。命をかける。命との引き換え。
 男の体になるということは、そういうことだった。
 それでも、やるのか?それでもやる価値はあるのか?
 はい。あります。
 自分に問いかけ、自分で答える。僕は、馬鹿じゃない。
 本気だ。生きるために本気だ。これから普通の幸せを手に入れたいから。
 もう、この体のまま生き続けていくことはできないから。


この本は、実際に性別適合手術を受けるかどうか、いま迷っている人のために書かれた本です。
前田さんは、この手術によって、よき伴侶と家族や友人の相互理解という素晴らしい果実を得ました。
でも、すべての人がそれを得られるわけではない。
もしかすると、手術をしなくても、自己一致できる生き方があることも示唆しています。


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