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「一人じゃない」に気づけない。『介護うつ』清水良子 <自伝・自分史・その周辺46> 

「お姉ちゃん、なんで死んじゃったの」と、副題が付いています。
昨年4月20日、父の墓前で、車いすの母を残し、自らの命を絶った清水由貴子さんの妹、清水良子さんが書かれた本です。

大輪の花が開いたように、明るい笑顔が印象的だった清水由貴子さん。
糖尿病から失明し、認知症もある母親の介護に専心するために、芸能界を引退していたことは、自殺のニュースの中で知りました。

「そういう選択しかなかったのだろうか?」という疑問が沸き起こりました。
母とともに残された実の妹の良子さんも、暗に陽に、人から疑問を投げ掛けられたに違いありません。

良子さん自身が、その疑問を由貴子さんにぶつけたいはずです。
姉はなぜ死を選択してしまったのか、その答えを見つけるために、良子さんはこの本を書かれたのでしょう。

 家族のために、自分にできることは何にかえてもやろうと、いつも気を張っている人でした。

 時に姉のがんばりは私を不安にしました。姉のおかげで私もいい大人になったのだから、私にもがんばる分を分けてちょうだい。

「介護うつになるのはこんな人なのだろう」と考えさせられる、とても象徴的な出来事がありました。

母親のリハビリのために、介護保険金の助成金で家の中に手すりや取っ手をつけることをケアマネージャーが提案したときのことです。
由貴子さんは、その提案を頑なに断わってしまいました。

 今でさえ要介護5で、税金からいろいろな助成金を出してもらっている。うちは長い間生活保護を受けて税金も免除されてきた。
 税金を納められるようになったのに、またその税金のお世話になるのは申し訳なくてできない。
 それが姉の言い分でした。

税金を払って、必要なときはそれを還元してもらう。
福祉国家の当然のシステムですが、それを由貴子さんは受け入れられなかったのです。

父親を早くに亡くし、母が病弱であったために生活保護を受けてきた。
なんとかその生活から抜け出るために、中学生で芸能界に入った。
人に後ろ指を指されないように生きてきた。

人に頼ることは、自分が果たすべき責任を放棄することに思えたのでしょう。

自分一人で抱え込まなくていい。
誰にだって頼っていい。
あたり構わず泣き言を言ってもいい。

自分一人ではどうしようもないことでも、誰かに頼れば、なんとかなることもあるはずです。
最後まで、そのことに気づくことができなかったでしょう。

由貴子さんのような人を出さないためには、社会全体に、もっと包容力が必要です。
他人の辛さへの想像力をもって、周囲の人々が自然体で手を差し伸べられる社会にしていきたいなあ、と思います。



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