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頑張るのは二人で。『パパはマイナス50点』小山明子<自伝・自分史・その周辺48> 

最近、どうしても目に入ってきてしまう「介護うつ」という言葉。
この本にも、「介護うつを越えて 夫、大島渚を支えた10年」という副題が付いています。
著者は、映画監督大島渚氏の夫人で、女優の小山明子さん。
1996年、大島監督が旅行先のロンドンで、脳出血で倒れます。
映画「御法度」のクランクインを翌年に控えていた監督には後遺症が残り、再起不能と思われました。
高額の医療費、監督降板の違約金、またマスコミの執拗な取材を受けて、小山さんは精神的に追いつめられ、冷静な思考力を失っていきます。

「我が家はもう破滅です」

意識を取り戻した監督は、映画を撮るために必死に回復しようとしていました。
その介護を完璧にしようとするあまり、小山さんは自分を追いつめていってしまいます。
数ヶ月後に出演予定であった舞台の仕事。時間的にも、精神的にも到底出演は無理と、断わったことが、ますます彼女を不安に陥れます。

 長年、女優として生きてきた心の拠り所をなくしてしまったために、ますます自己嫌悪にとらわれるようになっていったのである。

 「妻失格。主婦失格。子供たちだって半分以上はお義母さんに育ててもらったようなものだから、母親も失格。そして女優としても失格……。やっぱり私は、生きている価値のないダメな人間なんだわ」

「夫の介護をしなければ」、でもできない。
その苦しみから強い自殺願望にもとらわれ、何度も入院を繰り返します。

うつになった理由を、いまは冷静に分析することができます。

 障害を抱えた夫と二四時間向き合い、気の休まる間もなく、とにかく頑張って、頑張って頑張り過ぎた結果、入院する羽目に陥ったのである。にもかかわらず、一刻も早く退院して、また頑張ることしか考えていない。その考え方を変えない限り、いくら体が元気を取り戻したところで、また同じ過ちを繰り返すことになる……。

典型的な「介護うつ」の当事者の追いつめられ方を、非常に赤裸々に描き出した内容です。
読みながら、息苦しくなる思いを何度も味わいました。
この本の救いは、小山さんが、いまは介護うつから脱出し、大島監督とともに充実した老後を送っていらっしゃることを確認できることです。
「共倒れしない介護の秘訣」と題した七項目は、これから同じ境遇になったときに非常に参考になるでしょう。

その一 まず自分の時間を持つ
その二 一日一日を楽しむ
その三 イベントで家族の絆を深める
その四 つらいときこそユーモアで乗り切る
その五 「ありがとう」のひと言は大きい
その六 介護される人の気持ちを尊重する
その七 一人で抱え込まない




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