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封印した記憶が甦る。『あのころ』さくらももこ <自伝・自分史・その周辺5> 

4月から3月というサイクルで、毎年同じ年中行事が規則正しく繰り返される小学生時代。
その時期の記憶がかなり曖昧でとらえどころがなかったりするのは、毎年記憶が上書きされていくからではないでしょうか?
らせん階段をぐるぐる回りながら少しずつ上昇していくように進行していく6年間は、1年ごとに同じ景色を、去年より少し高い位置から見ることになる。
その記憶は、必然的に上書きされてしまうはずです。
なにかの間違いで、上書きし損ねたデータファイルのみが、記憶の片隅にポツンと取り残されるのでしょう。

さくらももこさんが小学生時代を文章で描いた『あのころ』。
私自身の記憶のいい加減さ、曖昧さ、雑さを思うと、なんと高性能、高機能の記憶装置なのでしょうか。

舌を巻くのは、卓越した記憶力だけではありません。

自分で、自分を笑うこと。
「また、やっちゃった。バカだ、わたし……」

この手の記憶を、子供は無意識に封印してしまいます。
一つ一つ克明に記憶していたら、自己嫌悪だらけで、子供の人生は立ち行かなくなってしまいます。
適当に忘れたり、記憶のデータファイルにバグを起させたりして、心の平穏が保てるのだと思います。

自分を笑うことは、子供には到底できない高度で知的な芸当です。
さくらさんとはいえ、子供の頃からその能力を持っていたわけではないでしょう。
自分を笑う能力は、大人になってから身につけたもののだと思います。
漫画家という職業人の、人間観察力、おもしろいことへの洞察力によって、自分自身の「あのころ」を、素材として見ることができるようになったのでしょう。
それによって、小学生時代をただ懐かしむだけでなく、リアルな匂いや手触りまでも再現できました。

マラソンの授業を休みたくて、なんとか風邪を引くように、無駄な努力をしたこと。
寒い体育館の集会で、気が遠くなりそうになりながら尿意を我慢したこと。
朝顔が枯れてしまい、ウソの絵を描いて、夏休みの観察記録を提出したこと。

そうそう、全部、私もやっていました。

封印した記憶を思い出させてくれる、スゴイ自分史でした。




コメント

はじめまして

すごい本読んでるんですね。
どんな本を読もうかと悩むことがあるので、とても参考になります。

また遊びに来ます!
これからもブログ楽しみにしてます!

よろしく、お願いします。

週に1冊ずつ自分史がらみの本を読むというワークを自分に課していますので、ちょっと苦しくなったときはサクサク読める本になります。

いい本があったら紹介してください。

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