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「助けて」が言えるまで。『命のカウンセリング』長谷川泰三 <自伝・自分史・その周辺74> 

17歳のときの交通事故で、下半身不随となり、車いす生活を余儀なくされた長谷川泰三さん。

「自殺しよう」

長谷川さんは、かつて、バイクのツーリングに行ったことがある東尋坊で、飛び降り自殺をしようと決意します。
しかし、車いすで東尋坊への旅は、並大抵でありません。

「行くまでにいろいろな人に迷惑をかけなくちゃいけないな」

人に迷惑をかけること。
それは、人に疎まれ、さげすまれ、自分が生きている価値などまったくない人間だということを思い知らされる旅になるはずだ。
それなら、この世になんの未練もなく、東尋坊に飛び込めるに違いない。
最初は、そういう計画でした。

その計画は見事に裏切られます。
いつも機嫌の悪そうなおじさんやおばさんが、とてもうれしそうに車いすを押してくれるのです。
前にバイクに乗っていたときに、「うるさい!」と、傘で追い立てて来たおばさん。
とても助けてなんかくれないと思っていたのに、
「何かあったら、おばちゃんに言うんだよ。電話番号を教えておくからね」
やさしい言葉をかけてもらいました。

東尋坊へ、何度も電車を乗り換え、見ず知らずの人に車いすを押してもらう。
迷惑きわまりないはずなのに、「助けて」と言えば、誰もが助けてくれる。
誰とでもつながることができる。
死の崖っぷちを覗き込んだ旅は、生の本質を知る旅へと変わりました。

絶望を乗り越え、生きる決意をした長谷川さんは、いまはカウンセラーとなって、人を援助する仕事をしています。
実際に体験したカウンセリングの事例もいろいろ記されています。

長谷川さんのカウンセリングの基本は、人生における痛みや喪失を体験し、頑なに心を閉ざしてしまった人が、「助けて」が言えるようにサポートすることです。
「助けて」を言うことで、自分ばかりでなく、自分のまわりの人たちをも救うことができると教えています。

 人は誰かの役に立ったときに心の善意に触れ、幸せや自身の愛を感じます。
 不思議なことに、それは他人に親切にされたときの幸せや、他人からもらった愛情よりも多いのです。

助けてほしい人が「助けて」と言う。
助けてあげられる人が助ける。


生きる質が高い世の中は、とてもシンプルな決意からはじまるのかもしれません。



自分史の本棚
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