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書店の最期を看取る。『傷だらけの店長 それでもやらねばならない』伊達雅彦 <自伝・自分史・その周辺79> 

ついさっき、朝日新聞で、ある企業広告を目にしました。

  本屋のない町で
  私たちは幸せだろうか?

  宝島社は電子書籍に反対です。

私がいままさに読んでいる本が呼び寄せたかのような符合に、軽い驚きがありました。

出版業界がいま、悲鳴を上げている。
それ以上に、小さな本屋が断末魔の苦しみを味わっている。
さらに、店長は、夜も眠れない日々を強いられている。

音楽メディアは、あっさりとI tune ストアに白旗をあげてしまいました。
CDショップの最大手がどんどん店じまいをしています。
私たちは、CDのパッケージが好きなわけではなくて、CDの中身が好きなのでしょう。
CDショップの撤退も、それなら、致し方ない。

でも、いまだに、「本」そのものが好きな人はたくさんいます。
かくいう私もその一人なので、店長伊達さんの呻き声のように、書店の現実を知らされると、胸が痛みました。

「使えない」
と題された一文。
インターネットでたまたま見つけたブログの記事に、伊達さんの店の実名入りで、「あの本屋は使えない」と書かれていました。
どんな経緯があったかまでは書かれていなくて、伊達さんは落ち込んでしまいます。
でも、しばらくして「使えない」の意味を実感します。
ある日、売れ行きランキングにも入り、そろそろ売れそうな本を、仕入れ担当者が返品しようとしていました。
この書店では、売場によって担当者の責任で発注・返品をするのだそうです。

「これから売れそうだよ」という伊達さんの意見に、

「それって、『ランキング依存』ですよね。僕はランキングに左右されるのは好きじゃないんですよね」

「ランキング依存じゃない。『ランキング参照』だ。
ランキングは客のニーズの一面なのだから、参考にはすべきだ。君の好きな本だけ置いたり、来る本を流れ作業的に置いたり返したりするのはただの「作業」だろ。考えながらやるのが「仕事」だよ。俺は「仕事」で君にこれを返すな。と言っているんだ」


「それなら店長の分野に置いてください。僕の方ではいりません」

伊達さんは、自分の担当コーナーである新刊書の台にその本を置きました。
数日して、その本が売れはじめ、客から次々問い合せが入ります。
でも、返品した後で、在庫がありません。

「ああ、ないならいいや。よそで買う」

「使えない」って、こういうことなのでした。

伊達さんの書店は、近所に全国チェーンの大型店舗が進出してきて、最後は矢尽き、刀折れ、閉店に追い込まれました。
いま、日本のあちこちで、こういう出来事が起こっているに違いない。
本は、書店は、出版は、どこへ行くのでしょうか?



自分史の本棚
http://booklog.jp/users/jibunworks

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