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生還した人からのメッセージ。『うつから帰って参りました』一色伸幸 

『私をスキーに連れてって』や『彼女が水着に着替えたら』などの脚本家である一色伸幸氏。

若い頃から頭痛薬を呑みながら原稿を書くのを日常としていました。
街中の薬局を巡り、合法的なドラッグを買い漁る毎日。
やがて、医者の処方薬の絶大な快感を覚え、東南アジアに行けばその薬が処方箋なしでいくらでも買うことができることを知ります。
そうなるともう、疑いようもない薬物中毒です。

本人は、創作の糧として薬に頼っているつもりでした。薬を呑めばハイになり、執筆に集中でき、思うように書ける。
薬で作られた躁状態の中で仕事を続けましたが、その間に、本当のうつ病に脳は支配されていました。

ほとんど廃人のようになった夫を見過ごすことができなくなり、妻は夫を無理やり精神科に連れて行きます。
医師から、うつ病だと病名を言われ、夫もやっとこれまでのやっとこれまでの自分の行動を理解することができました。

 病人誕生。
 晴れてうつ病という病名を得て、その日からは寝て暮らした。

フリーの脚本家で、自由に休むことはできる。これまでの蓄積で、経済的にも困ることはない。恵まれた闘病生活の中で、生まれたのは、

 「死にたい」

という気持ちでした。

 しかし、身体が重く、トイレに行くことさえ億劫で、無気力な身には、飛び降りるにせよ首を吊るにせよ、自殺を企てるのは途方もない大仕事だ。

 消えてなくなりたい。

 これが、一番、近い。


でも、結局、一色氏は消えてなくなることはしません。
実際に、うつ病になり、その状態をのたうち、苦しみ、やっとのことで生還した一色氏が振り返る「うつ状態」は、教科書にはない臨場感があります。
たとえば、
「脳味噌がサランラップにくるまれている。笑ったり楽しんだりということを実感できなくなってしまっているのだ」

うつ病の人から表情が消えてしまったり、こちらからの働きかけにリアクションが取れなかったりするときがあります。
サランラップに隔てられた自分自身の脳に、うまくアクセスできない状態なのかもしれません。

 どういう病気であるかを理解してもらえない。それがうつ病の一番やっかいな点だ。
 仮にうつ病一般について把握してくれていても、問題は「僕のうつ病」や「あなたのうつ病で」で、脳の中で起こる現象だから個人差も大きい。
 分かりにくく、分からせにくいのだ。


結婚以来ずっと薬物依存状態だった彼は、十年以上、夫として、また二人の息子の父として、細やかな愛情を注ぐことはできていなかったようです。
でも、彼を生還させたのは、一色氏の奥さまであり、家族だったのだと思います。

身近にうつ病の方がいる人に、ぜひ、読んでほしい本です。




自分史の本棚
http://booklog.jp/users/jibunworks

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