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難病が教えてくれたこと。『神様は、いじわる』さかもと未明<自伝・自分史・その周辺103> 

さかもと未明さんが育った家庭は、居心地の良い家ではありませんでした。
酒を飲むと酔って暴れ、母を殴る父。
殴られても抵抗できず、ただ黙って我慢する母。
妹と弟が一人ずついる長女は、父親と激しく対立します。
その未明さんを理解してくれたのは、年老いた祖母だけでした。

早く家を出て、自立したい。
家を出て、それまで貧しかったために諦めていた漫画家にも、どうしてもチャレンジしたい。
安定した企業に勤めることを求める親の了承を得られず、未明さんは勘当同然で家を出ました。

持ち前の負けん気と努力で、漫画家として仕事も入るようになっていた矢先、身体に不調を覚えました。
大学病院での診断は、「全身性エリテマトーデス」。聞いたこともない難病でした。

「あの、で、どうしたらなおりますか?」
そう聞く未明さんに、医師は、
「なおらないから、難病なので、でも悪くならないように最大限努力しましょう」診察した蘆田医師は、答えました。
「全身性エリテマトーデス」と「強皮症」は「膠原病」の典型的な症状です。

子どもの頃から、親から自立することだけを考え、同じ年頃の女性たちと一緒に遊んだ経験のない未明さんには、友人はいません。
病気になったからといって、だれにも頼ることはできませんでした。

次第に、身体は疲れやすくなり、漫画家の命である手は強張り、思うように動かせなくなります。
発病の苦しさに加え、出版不況により、これまでの仕事も次々打ち切りになります。
なぜ、こんなに辛い目に遭わなければならないのか。
絶望的になったときに、手を差し伸べてくれる人もいました。

「拉致問題」を取材し、ルポを書いたときに知り合った横田滋・早紀江夫妻は、娘めぐみさんと同年齢の未明さんと親しく接してくれました。

尊敬する漫画家の先輩、槇村さとる先生は、苦境の未明さんをやさしく包んでくれました。

 「先生、未明がんばるね」
 いうわたしの手を、先生はそっと握ってくれた。「ほんとうに冷たいね。なんでこんなになるまで働いたの?」
 と悲しそうにいってくれた。先生は人の心に寄り添うことを知っていた。
 わたしはそれをずっとできなかったから、だからそういう人間らしい気持ちを少しは勉強するように、神様病気をくれたのかもしれなかった。
 わたしも槇村さとる先生の何分の一かでも、人にやさしくなりたい。

一人で、頑なに生きることを選んできた未明さんですが、難病になり、人に閉ざしていた心を開くことを覚えます。
いまでは、両親とも和解し、家を出て以来会ったことのなかった、成長した弟にも会いました。

もっと、人を信頼していい。
神様が、未明さんに教えてくれたのかもしれません。



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