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家族の絆を作る意志。『戦場から女優へ』サヘル・ローズ  <自伝・自分史・その周辺17> 

最近テレビでレポーターとしてお見かけするサヘル・ローズさんが、数奇な出自を語った本です。

テヘランに住む女子大生が訪れたのは、イラク軍の空爆を受けた田舎の町でした。
医師、看護師らとともに、ボランティアとして参加した救出活動では、一人の生存者も発見できませんでした。
撤収命令が下った後も、あきらめきれず、最後にもう一度現場を見回った彼女は、瓦礫に埋もれた小さな手を見つけます。
握ったその手の持ち主は4歳の少女。まだかすかな息がありました。

病院で目を覚ました少女は、はじめて見た女性に思わず、「Mader(お母さん)」と呼びかけました。それが、フローラとサヘルの出会いでした。

家族を失い孤児となった少女は、孤児院に収容されました。
でも、いつか、自分を助けてくれたあの女性が迎えにきてくれるに違いないと信じていました。

「わたしの子どもになる?」

サヘルを養子にしたことで、裕福な家庭に育った恵まれた大学生だったフローラの人生は、まったく変わったものになりました。
両親の反対にあい、家を追われ、二人はイランを出国。フローラの婚約者が住む日本に移住します。

それからの二人の生活は、凄絶なものでした。
たった一人頼った婚約者の裏切り。
ホームレスになる。
学校でのいじめ。
ツナ缶一つで2日間の食いつなぐ貧乏な暮らし。

空爆ですべての家族を失い、たまたま一人生きのびてしまっただけなのに、なぜ、こんな辛い思いをしなければならないのか。
その暮らしの中で、サヘルは自分自身に問いかけます。

  私は生きている理由、生かされている理由を知りたかった。

自分の存在理由を知りたい。
そして、たった一人の家族となってくれたフローラに幸せになってほしい。
それだけが、未来を切り開いていく推進力でした。

「この子はたいした人間にはならないわよ。貧しい町の生まれで、しかも孤児院にいたような子が特別な人間になれるわけがない。おカネの無駄」
サヘルを引き取るとき、フローラは周囲の人々にさんざん聞かされました。

  私ががんばってテレビに出られるようになったことで、イランにいる人たちに、誰でもがんばればできることを示すことができた。

そう、生きてきてよかったと思えるのは、繋いだ家族の絆が、どんな血の繋がりよりも強くかけがえのないものだと確認するときです。

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